AppStoreガイドライン 超概略 「4 デザイン」

ここではガイドラインの小難しい表現をざっくりカットして、本質だけ抜き出したました。ガイドラインのイメージを掴むのにご利用ください。オリジナルのガイドラインは必ず一度は目を通すようにしてください。

・4.1 アプリは更新義務がある
アプリのデザインはシンプルで美しいこと。
(訳注 低俗なアイコンやデザインは禁止)
アプリは更新し続けること。
古くなったアプリはリジェクト
(訳注 アップルにとって都合の悪いアプリはこれを理由に削除されることがあります。)

・4.1 コピーアプリ禁止
他人のアプリのコピーアプリは禁止
(訳注 自分のアプリをコピーした場合は、ガイドライン用語でスパムと認定されて、最悪の場合、アカウント停止されます。)
そっくりなアプリを作って、名前だけ変えたりしてもダメ。
(訳注 とくにゲームアプリは気をつけてください。昨今のゲームは同じようなものばかりなので、訴えられる可能性があります。
また、貴方がオリジナルなのに、外国企業からコピーアプリであると難癖をつけられる可能性もあります。)

・4.2 Minimum Functionality 最低限の機能(超重要 超概略)
このガイドラインは非常に重要な項目です。多くのアプリがこれでリジェクトされます。以下に超概略翻訳を記述します。
(訳注 この4.2 でリジェクトされたアプリは、Appleによってアプリとして価値がないと言われたということなのですが、
多くの場合、貴方のアプリの価値が伝わっていない可能性があります。このアプリの価値はこういうことだ、というのを正しく述べ、AppStoreレビュアーに再評価してもらいましょう。動画撮影するのが効果的です。)
(訳注 もう一つの方法としては、アプリの個性を認めてもらうために機能を追加することなのですが、すでに出来上がったアプリに対して、取って付けたとうな機能を追加しても、なかなか認めてもらえるようなものではありません。)
(訳注 4.2は死に(42)コンテンツと覚えてください。)
優れたアプリであること。
Webコンテンツを再パッケージしただけのアプリは禁止
アプリらしくないアプリは禁止
(訳注 こういう言い回しがガイドラインのひどいところです。あまり斬新すぎるアプリは許されないと思います。)
価値が長続きしないアプリはリジェクト。不快なアプリはリジェクト。
(なにかイベント用の特別なアプリ。たとえば1回しか開かれる予定のないスポーツ大会のためのアプリはリジェクト。ただし、それが定期的に開かれていて、多くの人に勝ちがあるものだとしたら通る可能性あり。)
本、映画、音楽のアプリはiTunes Storeで出してください。
(訳注 昔はAppStoreで音楽や本なんかもアプリとして出品できたんです。)

・4.2.1 ARアプリは完成度が高くなければいけない
(訳注 ARKitを使ってアプリを作る場合、キャラクターがアニメーションするだけのつまらないアプリが氾濫する恐れがある。
それを防止するのがこのガイドラインの役目)

・4.2.2 寄せ集めアプリはリジェクト
カタログアプリは許可される。
(訳注 例えばIKEAのカタログアプリなど)
しかし、資料、広告、Webクリップ、リンク集などの寄せ集めアプリはリジェクト
(訳注 リンク集はほんとに多いです。気をつけましょう。)

・4.2.3
(i)アプリは単体起動すること
アプリは単体で起動する必要がある。
その動作を実現するために他のアプリのインストールが必要であってはいけない。

(ii) 必須コンテンツはバイナリに含める
インストール時の段階で、通常起動に必要なコンテンツが含まれていること。
(訳注 4.2.3(i)の単独起動ルール の延長だと考えればわかりやすいと思います。)
(訳注 起動に必要なコンテンツをサーバーからダウンロードしてくるといった動きを制限していると思います。)
(訳注 このガイドラインでリジェクトされたというのは聞いたことがないのです)

(iii) ダウンロードサイズは事前に示すこと
(ここは重要項目です)
リリース済みのアプリはこの対策をしていないと2019/01/01以降にリジェクトされます。
コンテンツをダウンロードする前に、事前にダウンロードしてもよいかきくこと
コンテンツをダウンロードする際は、サイズを示すこと。

・4.2.4 Apple Watch 向けガイドライン 普通の時計アプリはダメ
普通の時計盤に似たアプリはダメ。個性的な時計ならOK
(訳注 普通の時計盤を作るのはAppleのしごとである)

・4.2.5 単純なiCloudビューアーは禁止
iCloudの中身を参照するだけのような単純なビューアーアプリは禁止

・4.2.6 テンプレートアプリは基本的に禁止(重要項目)
(訳注 はじめに テンプレートアプリとは、一つのアプリのソースをベースにして、一部分だけ変更した複製アプリのこと。Appleとしては、同じようなアプリがストアに氾濫することが予想されるため、できるだけ禁止したいと考えている。実際に、2017年にはガイドラインで全面禁止されたこともある。ただし、それはクレームにより撤回された)
テンプレートアプリはそのテンプレートを作っている業者がデベロッパーになってはいけない。
(訳注 たとえばレストランAとレストランBが同じテンプレートを使ってアプリを出す場合は、レストランAとレストランBがそれぞれ別々にAppleとデベロッパー契約しなければいけない。)
同じようなアプリはまとめなさい。
(訳注 たとえばレストランA情報アプリ、レストランB情報アプリと作るのではなく、レストラン総合情報アプリを作って、その中でレストランA情報、レストランB情報と選択できるようにしなさい。ということ。)

・4.2.7 ミラーリングアプリの制限事項
(訳注 この項の事例では、Steam Link というアプリのリジェクトが有名です。SteamLinkが審査に出された頃、この4.2.7 リモートデスクトップアプリの詳細はありませんでした。
SteamLinkを潰すために作られた項目と言っても過言ではありません。
SteamはPC向けインディーズゲームの配信プラットフォーム)
一般的なミラーリングアプリはOK。ただし特定サービスに特化したリモートデスクトップアプリは以下に従うこと。
(訳注 ミラーリングのガイドラインはかなりややこしいです。Steam Linkを審査通過後リジェクトするくらいAppleは敵対視しているので、この分野にアプリを投入する場合は注意が必要です。)

・ 4.2.7 ミラーリング
(a) LAN外接続は禁止、
(リモートデスクトップアプリが、特定サービスに限定される場合の制限)
(ここでいうホスト・クライアントは以下を示す
ホストデバイス…パソコン側(PC/Mac)
クライアント…iPhone/iPad/(もしくはMac))
ホストは自分が所有しているものしか使えない。
ホストとクライアントはLAN内にあること。LAN外接続禁止。

(b) ホストとゲストは同じ画面であること
(リモートデスクトップアプリが、特定サービスに限定される場合の制限)
(ここでいうホスト・クライアントは以下を示す
ホストデバイス…パソコン側(PC/Mac)
クライアント…iPhone/iPad/(もしくはMac))
クライアントの画面とホストの画面は同じであること。
ストリーミング以外の機能は使用禁止

(c) アカウント作成・管理はホストから
(リモートデスクトップアプリが、特定サービスに限定される場合の制限)
(ここでいうホスト・クライアントは以下を示す
ホストデバイス…パソコン側(PC/Mac)
クライアント…iPhone/iPad/(もしくはMac))
アカウントの作成・管理はホストデバイスから開始すること。

(d) ミラーリング上の課金問題
(リモートデスクトップアプリが、特定サービスに限定される場合の制限)
(ここでいうホスト・クライアントは以下を示す
ホストデバイス…パソコン側(PC/Mac)
クライアント…iPhone/iPad/(もしくはMac))
iOSの画面やAppStoreの表示のマネは禁止。
(訳注 AppStoreの真似をしたアプリは別のガイドラインで禁止されています。あらためてココでくり返し言うことの意味は、
クライアント画面に、ホストからiOSっぽい画面を配信することもダメということなのだと思います。これはホストデバイスの制限事項だと考えられます。)
クライアント上から、アプリ(ゲーム)の購入禁止。
ホストデバイスでの課金処理はアプリ内課金を使用しなくてもいい。

・ 4.3 スパムアプリの禁止(超重要)
(訳注 ここでいうスパムアプリとは、つまらないアプリ、同じようなアプリを複数出品すること、を指します)
同じようなアプリを複数作るな。
すでにたくさん世の中にあるアプリを作るな。
カーマ・スートラの定義はこの記事をご覧ください
スパムを作ったデベロッパーは最悪の場合、開発者ライセンスを削除、除名される。
(このガイドラインで多くの犠牲者あり)
複数対象に対して同じようなアプリを作る場合は、一つに集約することをおすすめする。
(訳注 美容室予約アプリ、野球チーム応援アプリ、イベント用アプリ)

・4.4 エクステンションの制約(iOS/macOS/safari)
(訳注 エクステンションはアプリに付属するサブ機能です。iOSで言うとキーボード機能やウィジェット、共有機能などがエクステンションに当たります。)
エクステンションはAppStoreレビューガイドラインだけでなく、エクステンション用のガイドにも従うこと。
エクステンションに広告・アプリ内課金を含めてはいけない

・4.4.1 キーボードエクステンション すべきこと
(訳注 ここではiOS限定の話をしているわけではないのですが、実際の内容的にはiOSが主になる話だと思います。)
キーボードエクステンションは以下のルールに従う必要がある。
文字入力機能、次のキーボードに遷移する機能、基本動作はネットワークアクセス不要で動作すること。
(iOSの場合のみ)機能改善の目的でのみ、ユーザーの行動監視(ユーザーのアクティビティ)をしても良い。

・4.4.1 キーボードエクステンション すべきでないこと
キーボードエクステンションから、設定外のアプリに飛んではいけない。
(訳注 逆に言えば、設定画面には飛んでも良い。)
キーボード以外の用途で用いてはいけない
(訳注 これだけ厳密にキーボードエクステンションの制限がされているのは、キーボードの影響範囲が広いから。)

・4.4.2 Safari エクステンションについて(Safari on macOS)
(この項はiOSは関係ありません)
Safari エクステンションは最新のSafariで動作する必要がある。
(訳注 最新のSafariで動かなければリジェクト)
システム(Safariやmac)のUIと干渉してはいけない。
ユーザーを機能の遂行に不必要なサイトに飛ばしたりするとリジェクト。
このルールに接触すると、デベロッパ除名する。

・4.4.3 ステッカーに関する規約
(訳注 ココで言うステッカーとは、iOS/macOS アプリのメッセージに使用するステッカーのことです。LINEでいうとスタンプですね。
ステッカーはアプリに含めて配信できたり、ステッカーだけで配信できたりします。アプリに含めた場合、そのアプリを入れるだけで、そのステッカーが使えるようになります。)
ステッカーにするコンテンツは、不愉快なもの、ネガティブなもの、法に違反するような内容を含めてはいけない。
(訳注 ここでいう法に違反するとは、中傷や著作権侵害だと思います。)

・(i) ステッカーとしてのふさわしさ
AppStoreにふさわしくないステッカーはリジェクト
(訳注 AppStoreにふさわしくないとは、このガイドラインに指摘されているようなことを含めていないということでしょう。
たとえば、銃を推奨していない、薬物を推奨しない、低俗なポルノ、他のプラットフォームへの言及、無意味なコンテンツ、うちわ向けのジョーク、などが考えらます。)

・(ii)ステッカーは各国の法律・文化に従うこと
(訳注 メッセージは国を超えて配信されるので)
地域ごとの法律や風習に逆らう可能性があるデリケートなステッカーは作らないこと
(訳注 この記号はAという国では良い意味だが、Bという国では悪い意味 ということがある。このような記号のステッカーは作るべきではない。)

・(iii)意味のわからないステッカーは説明書きをしてね
意味のわかりにくいステッカーは審査時に説明書きを入れてください。さもないと審査が遅れることがあります。

・(iv) うちわ向けのステッカー禁止
家族、特定グループ、特定イベント参加者にしか理解できないステッカーは禁止。

・(v)ステッカー画像の権利を持っていること
ステッカーに使う画像は正当な権利(著作権、商標など)をちゃんと持っていること。
Appleから権利の確認要求があった場合は、正当性を示す資料を提出しなければいけない。
著作権違反を繰り返す開発者は除名。
自分のコンテンツを使ったステッカーを第三者に作られたときは、Appleに通報できる。

・4.5 / 4.5.1 Appleのサイト情報参照についての制限
(訳注 4.5.1でAppleが怯えているのは、AppStoreランキングとそっくりなものを作られることです。そっくりなAppStoreが出来上がると、ランキングの捏造や嘘の情報の表示が可能になってしまいます。)
(アプリ内で)承認されてないAppleのページから情報を集めてはダメ。
さらに、その情報でランキングを作ったらダメ。

・4.5.2 Apple MusicとMusicKit
(i)AppleMusicの利用
(訳注 MusicKitはApple MusicにアクセスするためのAPIです。)
AppleMusicの機能を使うために、金銭や報酬を要求してはダメ。
AppleMusicからのダウンロード禁止。アップロードや共有も。

(ii) アプリに特定音楽を組み込む権利を得たわけではない
MusicKitは音楽再生機能のみに使うことができる。音楽の利用は音楽の法律に基づいて使うこと。
(訳注 たとえば、ゲームの効果音などには使用できない。その場合は必ず権利者に権利を得ること)
MusicKitの音楽は動画に組み込んでシェアしたりしてもいけない。
カバーアート(ジャケット写真)やメタデータ(説明テキスト)は音楽再生のためだけに利用できる。
AppStoreのスクリーンショットにカバーアートの写真を使ってはいけない。
(訳注 権利者から許可を得ている場合はもしかしたら許されるかもしれません。その場合は、メモ欄に権利を示す資料を提示します。)

・4.5.2 (iii) MusicKitを使ったユーザー情報の収集禁止
プレイリストにアクセスする際は、目的(purpose string)を明示すること。
(訳注 purpose string はXcodeのInfo.plist内のNSAppleMusicUsageDescriptionのことだと思います。)
集めたデータは機能改善の目的以外では第三者に共有してはいけない。
(訳注 集めたデータとは、再生した楽曲名、再生時間、プレイリスト内の音楽、などだと思います。)
(訳注 ということは、機能改善のためなら、第三者に手渡してもいいということ?)
集めたデータを使ってマーケティングしてはいけない。

・4.5.3 プッシュ通知等の正当利用
アップルの各種サービスを使ってスパム行為やフィッシング行為など客を陥れる行為をするとデベロッパ除名。
(訳注 ここでいうスパムはいわゆるスパムメールのスパムです。スパムアプリの意味ではありません。)
ユーザー情報の逆引き参照の禁止
(訳注 ココで言う逆引き、逆引き参照とはユーザーIDなどの情報から個人を特定すること。意図としては、個人を特定して、そこから利益を得ようとする行為を禁止しているのだと思います。)

・4.5.4プッシュ通知で広告禁止
アプリの機能を実現するために、プッシュの有効化を強要することはできません。
プッシュ通知をつかって、広告やキャンペーンを行ってはいけません。
(訳注 個人的な見解ですが、AppleのAppleストアアプリがキャンペーンプッシュを送ってきた問題は、このガイドラインに接触すると思います。)
個人情報や機密情報をプッシュ通知で送ってはいけない。(意外と重要)
(訳注 これでガイドラインに接触した例を聞いたことがないのですが、おそらく、デリケートな情報をプッシュ通知に乗せてはいけないということだと思います。プッシュはご送信される可能性もありますので、たとえば「あなたのIDに自動設定されたパスワードはコレです」などというように利用してはいけないということだと思います。)

・4.5.5 ゲームセンターIDの取扱
ゲームセンターIDはアプリに表示したり第三者に提示してはいけない。

・4.5.6 Appleの絵文字の扱い(要注意)
Appleの絵文字をストアの説明文に使用しても良い。
Appleの絵文字をアプリ内に表示しても良い。
ただし、はじめからAppleの絵文字をアプリに埋め込んではいけない。
(訳注 ユーザーが入力するテキスト内に絵文字を表示することは許されます。しかし、アプリ内のボタンなどにApple絵文字をしようしたり、ゲームのキャラクターとしてAppleの絵文字を使ってはいけない。リジェクト報告は多数あります。)

・ 4.6 アイコン変更機能の制限
(訳注 あまり知られていませんが、iOSにはアプリのアイコンを変更する機能があります。その変更機能についてのガイドラインです。アイコン変更の挙動についてよく分かるのは、高性能カメラアプリの、Obscura です。一度使うと、アイコン変更の意味がよく分かるでしょう。)
アプリがアイコンを勝手に変えてはいけない。ユーザーの意思で変更すること。
初期アイコンに戻す手順が実装されている必要がある。
すべてのアイコンはアプリのコンテンツに関係していること。
(訳注 ガイドラインには、アプリアイコンのデザインは制限されていなかったと思うのですが、ここで間接的に制限されてしまっています。)
アイコン変更はアプリのすべてのアイコン(設定画面や通知も)が切り替わらなければいけない。
温度計、天気、時間などの通知にアイコン変更を使ってはならない。

・4.7 HTML5ゲーム(ゲーム関係者は重要)
(訳注 この項目では、LINEが警告を受けてまずいことになった過去があります。詳しくはこちらをご覧ください。)
HTML5のゲームは実装しても良い。
ストア形式でゲームを販売してはいけない。
HTML5ゲームの購入はApp内課金で行っても良い。
標準のWebViewで動作すること。拡張したWebViewでのみ動作するようなものはダメ。
HTML5ゲームもこのAppStoreReviewガイドラインに準拠すること。
HTML5ゲームを提供するチームもAppleDeveloperProgramに加入していること。
(訳注 確認はできないと思いますが。)
Appleから要求があった場合は、HTML5ゲームのメタデータや詳細情報を提示しなければいけない。
(訳注 場合によっては、iOSアプリのメタデータのようなものを提出する必要があるということだと思います。)
(訳注 おそらく、AppStoreReviewチームから、ゲームの動作URLを教えろと聞かれる可能性があります。この問い合わせに答えられなかったり、レビューチームの端末のSafariでそのゲームが動かなかった場合は、リジェクトされると思われます。)

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