よく言われる、サンドイッチ伯爵がサンドイッチを作ったという説に「そんなわけないやろ」という違和感を感じたのでまとめました。
前提
- サンドイッチ[sandwich]と言う「はさむ」という意味の言葉は当然、サンドイッチ伯爵以前からあった。
- パンにおかずを挟んで食べる方法は以前からあった。
- それが料理として確立はしていなかった。パンの食べ方の一つだった。
時系列
① 4代目 ジョン・モンタギュー伯爵がパンにおかずをサンドイッチして食べる料理ばかり食べていた。一度ハマったらずっとそればっかり食べるタイプ。あるある。
②「お前はサンドイッチばかりだな。」と言われるようになる。
③冗談っぽくサンドイッチ伯爵と呼ばれるようになる。面白がって自分もそう名乗るようになる。
④みんながサンドイッチ伯爵と同じものを注文するようになる。「俺、サンドイッチ伯爵のやつ」「おれもサンドイッチのやつ」「おれもサンドイッチ」
⑤やがて、注文時に、パンにおかずを挟んだものを総称して「サンドイッチ」と呼ぶようになる。
これが経緯です。
注意点
- 4代目以降、モンタギュー家はサンドイッチの名を名乗るようになり、現在の第11代サンドイッチ伯爵まで続いている。
- そのため、初代、2代目、3代目はサンドイッチという食べ物に無関係だが「初代サンドイッチ伯爵」などと遡って呼ばれたりする。
- 上記の理由から「初代サンドイッチ伯爵」というのが居るものだから、サンドイッチという名前の人が昔から居たと思われるがそうではない。
- サンドイッチ伯爵というのは、途中からできたニックネームである。
- 「カードゲームをしながら手を汚さないで食べれるように」というのはどうやら間違いらしい。そんなに遊び人でもなかったようだ。実際は仕事の合間に食べれるから好んでいた、ということらしい。
おわりに
日本で言われてる「サンドイッチはサンドイッチ伯爵が作った」という表現は不適切。
日本ではこのエピソードを、「林さんが作ったからハヤシライス」みたいな感覚で「サンドイッチ伯爵が作ったからサンドイッチ」と言ってるはずだが、これは誤り。ちなみに、ハヤシライスは林さんが作ったわけではないです。
エピソードとして話すなら、「サンドイッチが好きなのでサンドイッチという名前を名乗り始めた伯爵もいる」みたいなトリビアの泉みたいな表現のほうが適切。